■部活動3原則■(長沼による)
1.生徒の部活動への参加は任意である(全員加入制を廃止する)
2.教員の部活動顧問への就任可否は選択できる(全員顧問制を廃止する)
3.部活動の顧問は辞書的意味の顧問である(技術・技能の指導者である必要はない)
※文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議(第1回)にて発言
2018年8月10日アップ
■部活動の在り方を考える5つの視点■(長沼による)
1.中学校の部活動だけでなく、小学校、高校、高専、大学の部活動についても在り方を考える
2.国公立学校の部活動だけでなく、私立学校の部活動についても在り方を考える
3.運動部だけでなく、文化部についても在り方を考える
4.教員の働き方改革の視点だけでなく、生徒の過重負担の視点からも在り方を考える
5. 都市型の地域だけでなく、人口が少ない地域の部活動についても在り方を考える
※1~4は日本部活動学会第1回大会の基調報告にて発表
2018年8月10日アップ
■部活動改革の6つのフェーズ ver.3■(長沼による)
※拙著『部活動の不思議を語り合おう』(ひつじ書房、2017年)に掲載した「部活動改革の6つのフェーズ」を修正しver.2とし(2018年8月11日)、さらに修正したver.3を公表しました(2023年3月13日)。
■部活動問題の7つの原因■(長沼による)
1.教育課程外ゆえ行政の規制に限界
2.サービス残業が前提となっている仕組み
3.部活動の指導は業務か曖昧
4.部活動の位置づけの変遷による
5.安上がりな選手育成システムとして機能
6.安全配慮義務による
7.成果は学校の宣伝になる
※拙稿「部活動問題の七つの原因」の小見出しを一部改編
金子書房「児童心理」2018年5月号所収 連載「部活動のあり方(第2回)」
2018年8月11日アップ
■部活動改革のための2つの提案■(長沼による)
1.教員は初任から3年間は部活動の顧問に就任しないようにする
(職務のメインである教科指導、学級経営等の知識・技能の習得を優先する)
2.部活動に関する大会やコンクールの主催者は、スポーツ庁および文化庁のガイドラインに記載された休養日および活動時間上限を遵守した学校のみ参加を許可するようにする(参加条件とし大会規定に明記する)
2018年8月13日アップ 9月27日 2を追記
2については文化庁の「文化部活動の総合的な在り方に関するガイドライン」(2018年12月)に記載された
■部活動指針 ver1.2■(長沼による)
「一部の部活動(主に運動部)に見られる理不尽で非常識なしきたりを部活動(および社会)からなくそう!」
①年齢が上であることが集団内の絶対的な価値であり年齢が上の者には服従する
②年齢が下の者を奴隷のように扱う
③必要以上に大きな声で挨拶する
④本来オプションの位置付けであるにも関わらず最優先に参加することが求められる(欠席が許されないなど)
⑤集団から脱しようとすると高度な圧力がかけられる
⑥手拍子や掛け声等とともに特定の行動を強要する
⑦性別により任務が固定した役割(特に女性を補助役のみとする)が存在する
これらの行動や価値が一般化し常識になっている集団にいると、そのおかしさに気づかず、先輩から後輩へと代々受け継がれていきます。さらには、これらの行動や価値こそが重要だと刷り込まれ、生徒・学生時代だけでなく、社会に出てからも職場等に広めている者もいます。部活動だけでなく社会でも一般化してはなりません。
一部の部活動や社会団体、職場等に見られる、これらの行動や価値を、民主主義とシティズンシップの尊重、差別的支配・抑圧からの脱却の観点から、理不尽で非常識なしきたりとみなし、批判・非難し一掃を目指しましょう。
なお、これらの行動や価値の基礎は「軍隊の論理」で、それは次の基準によります。
①上官の命令には疑う余地を挟まず絶対服従する(命令通り打たなかったら敵から打たれて大損害を被るから)
②連帯責任と集団の統率を最優先にする
③集団を乱すことや不利益だと見なされた行為をすると見せしめの罰が与えられる
すなわち、人権を抑圧し、差別的な思考を助長し、人々から思考力や判断力を奪う全体主義的な方策です。競技性のスポーツに取り組む運動部や、コンクールで入賞を狙う文化部は「戦う集団」「勝てる集団」を目指しますから、この軍隊の論理が入り込みやすいのです。
学習院大学文学部教育学科長沼豊研究室
2019年3月ver.1
2019年6月ver.1.1
2019年12月ver.1.2